2024年雑記,メルボルンに引っ越した
博士課程修了と就活,引っ越しの備忘録です.
- 2024年3月に博士(統計科学)になりました.
- 同年同月,海外大学の研究員として着任しました.
博士課程
総研大というところで博士課程を修了しました.専攻は統計科学専攻で,実質的な受け入れ機関は東京の立川にある統計数理研究所というところです. 所属している教員・研究員の皆様は言うまでもなく,学生も皆レベルが高く非常に刺激がもらえる環境でした.オススメです. 本専攻以外でも同様に国内の研究所に所属の上で研究に従事することになるので,ぜひご検討ください(e.g., JAXA,極地研,etc).
学位取得そのものに関してはそこまで書くことも無いのですが,博士論文執筆&予備審査直前の時期にコロナウィルスに罹患して大変だったことを覚えています. 自分の場合は副作用でしばらく声が出ず,関係各所にご迷惑をおかけしてしまいました. 人生で一番龍角散を買い込んだ時期だったと思います.
就活
2023年の4〜5月くらいからぼちぼち始めたと思います. 米国を始め多くの地域で博士取得後N年以内までのFellowshipやポジションがあることは知っていたので,ひとまず地域を絞らずにapplyしました. 確か合計で5つほど出して,最終的に北欧と豪州の大学から1つずつ書類通過の連絡を受けました.スケジュールと志望度の関係で結局interviewを受けたのはこのうち豪州の大学のみでした.
大学によってjob interviewのプロセスは若干異なるとは思いますが,自分が受けた際は書類→一次面接→reference letters→最終面接という流れでした.
一次面接では自分のやってる研究のアピールの他に,特に数理統計学に関するテクニカルな質問に関するディスカッションがありました.
自分の研究内容については,上述の統計数理研究所を始め日本国内において関連分野の研究が盛んであるため,あえて国外に出ることでその分野の布教ができると思うみたいなことを言ったと思います.
統計学の知識に関するディスカッションでは,聞かれる質問が決まっていると言うよりは比較的random topicな印象を受けました.確かone-step M-estimatorの妥当性みたいな話題になったと思います. 割と楽しくディスカッションできたと思います.
Reference lettersについては,最低3名のメールアドレスを送るように言われました. 当時の指導教員を含め,自分の研究活動について知っている方々にお願いしました.
最後に最終面接ですが,正直何を喋ったかあまり覚えてないです.大学の周り暮らしやすそうですよね〜みたいな当たり障りない話をした気がします. どちらかと言うと自分からの質問タイムの方が長かったかもしれません.
最終的にこちらの豪州の大学から合格をいただき,博士修了のタイミングで移住&着任の運びとなりました.
移住に関して備忘録
- VISA関係:着任先の大学がassignしてくれた弁護士さんがよしなにやってくれたので負担はほとんどありませんでした.必要書類のうちPolice Certificate(無犯罪証明書)だけ少し入手に手間がかかった記憶があります.
- 移住費用:ほぼ全額出してくれました.特に入国後最大2ヶ月間分の一時滞在先のホテル代が出るのが手厚く感じました.
- 荷物の輸送関係:引っ越しにあたって荷物を船便で送ったのですが,荷物を詰めた段ボール箱に果物の絵が書いてあったために,一度全て送り返されてきました.豪州は検疫等が厳しいのは聞いていたのですが,これは落とし穴でした.
- 免許関係:日本の免許証の翻訳があれば,特に講習などなく州の免許証が入手可能でした.免許証の英訳は最寄りの領事館で作ってもらったのを持って行きました.
- 積立NISA:日本でやってた積立NISAは移住にあたって解約する必要があるとのことでした.
その他
- 街の様子:引っ越し先はメルボルンという街ですが,都会なのものあって特に生活する上で不便はないです.公共交通機関も充実しているので,シティ内で完結する場合は車なしで住めます.電車が少し値段が高いですが,代わりにシティ内を巡回するトラム(路面電車みたいなやつ)の無料区間が広いので便利です.
- 気候:南半球に位置しているので,日本とは夏冬が逆転します.あったかい中で街にクリスマスの飾り付けがされてるのが面白いです.湿度・降水量ともに東京より少なく,個人的には過ごしやすいと感じてます.ただ日毎(or昼夜)の寒暖差が大きいことも多いです.
- 英語:少なくとも自分の交友関係においては,癖のある英語を話す人はいないように思います.とは言え直属のボスはアメリカ人ですし,街自体にも移民が多いので,生活圏で所謂オージーイングリッシュに触れる機会が少ない可能性もあります.こっちでの友人に1人オーストラリア人がいますが,そこまで聞き取りづらさは感じないです.
- 物価:全体的に日本より高く感じはしますが,給与水準に照らすと実はそうでもない気もします.フルーツが東京と比べて異様に安いので,健康的な食生活になるかもしれません.
- 治安:かなり治安が良いなと感じています(もちろん様子のおかしいエリアもありますが).夜中に女性1人で出歩いている様子も多く見ます.特にアメリカ等と比べて銃がないのが心理的安全性に大きく寄与していると思います.
終わり
以上です. 着任先はメルボルン大学というところなので,もし近くにお立ち寄りの際は声をかけていただければご案内します.